このページでは、マンション・住宅売却の一連の流れを、査定から引渡し後の手続きまで順番に解説しています。まず全体像をつかみたい方は、各章の冒頭1文(結論)だけを読み進めてください。気になる章が見つかったら、章末の「詳しく読む」リンクから、より詳しい記事に進んでいただけます。
- 売却は査定→媒介契約→売り出し・内覧→契約→決済・引渡しという流れで進み、目安はおおよそ3〜6ヶ月。
- 査定には机上査定と訪問査定があり、相場は複数の情報源を組み合わせて把握するのが基本。
- 媒介契約は一般・専任・専属専任の3種類、売り方には仲介・買取・買取保証があり、状況に応じて選べる。
- 費用は仲介手数料が中心、税金は3,000万円特別控除により自宅売却では非課税になるケースが多い(2026年時点)。
- 住み替え・相続・離婚・急ぎの売却など、事情に応じた選択肢も用意されている。
1. 売却の全体像と期間|査定から引渡しまでの流れ
マンション・住宅の売却は、査定→媒介契約→売り出し・内覧→交渉→売買契約→決済・引渡しという流れで進み、順調に進んだ場合でもおおよそ3〜6ヶ月が目安です。査定から媒介契約の締結までは1〜2週間程度、売り出し開始から購入希望者が現れるまでは物件や価格設定によって数週間〜数ヶ月、売買契約から決済・引渡しまでは1〜2ヶ月程度と、各段階の期間の目安を積み上げていくと、全体のスケジュールを逆算しやすくなります。あわせて、売却を任せる不動産会社は、エリアでの実績・査定根拠の説明の丁寧さ・担当者との相性という3つの軸で選ぶのが基本の考え方です。
2. 査定と相場|机上査定・訪問査定と相場の調べ方
査定には、データから概算額を出す机上査定(簡易査定)と、実際に訪問して算出する訪問査定の2種類があります。まだ売却時期が決まっていない段階では机上査定で相場感をつかみ、具体的に売却を検討する段階になったら訪問査定を依頼するのが基本の使い分けです。相場は、レインズの成約事例、不動産情報サイトの売り出し価格、公示地価・基準地価といった複数の情報源を組み合わせて把握します。同じ物件でも不動産会社によって査定額に差が出ることがありますが、これは参照する成約事例や査定ロジックの違いによるもので、高い査定額がそのまま高く売れることを意味するわけではありません。査定書を受け取ったら、金額だけでなく取引事例比較法などの算出根拠もあわせて確認しておくと安心です。
3. 媒介契約と売り方|媒介契約の3種類・仲介と買取
売却を依頼する際は、一般・専任・専属専任という3種類のいずれかの媒介契約を結びます。依頼できる会社数やレインズ登録・報告義務の厳格さが異なり、早期売却や活動状況の把握を重視するなら専任系、複数社の集客力を活用したいなら一般媒介が選択肢になります。売り方には、市場で買主を探す「仲介」と、不動産会社が直接買い取る「買取」があり、仲介は市場価格に近い価格が期待できる一方、買取は価格が抑えられる代わりに数週間程度での現金化が可能です。両者の折衷案として、一定期間は仲介で売り出し、期間内に売れなければあらかじめ決めた価格で買い取ってもらえる「買取保証」という仕組みもあります。
4. 売出しと内覧|価格設定・値下げ・内覧準備
売り出し価格は、査定額を参考にしつつ、売却までにかけられる期間を踏まえて決めます。売り出し後は問い合わせ・内覧件数といった反響を見ながら、目安として1〜2ヶ月程度反響が少ない状態が続く場合に、価格や広告の見直しを検討するのが実務的な流れです。内覧では、掃除・におい・明るさ・広さの見せ方といった、費用をかけずにできる準備で第一印象が大きく変わります。住みながら売却する場合は、整理整頓や水回りの清潔感、内覧当日の立ち振る舞いも成約までの期間や条件を左右するポイントです。内覧後に買主から指値交渉が入ることも珍しくなく、応じるかどうかは反響状況や時期を踏まえて判断し、価格以外の条件で折り合える点がないかもあわせて確認するとよいでしょう。
5. 契約から引渡しまで|手付金・ローン完済・抵当権抹消
売買契約が成立すると、買主から手付金を受け取り、契約から決済・引渡しまではおおよそ1〜2ヶ月程度が目安です。この間、住宅ローンが残っている場合は金融機関へ売却の意向と決済予定日を伝え、決済日に売却代金で一括返済したうえで抵当権抹消登記を行う段取りを整えておきます。売却額が残債を上回るアンダーローンであれば売却代金で完済できますが、下回るオーバーローンの場合は自己資金の補填や住み替えローンの検討が必要です。決済当日までには、引っ越しの完了、付帯設備表・物件状況等報告書の確認、固定資産税・都市計画税の日割り精算の準備なども並行して進めておきましょう。
6. 費用と税金|仲介手数料・譲渡所得・3,000万円控除
売却でかかる費用の中心は仲介手数料で、上限は「売却価格×3%+6万円」に消費税を加えた額が目安です(売却価格400万円超の場合)。このほか売買契約書にかかる印紙税や、住宅ローンが残っている場合の抵当権抹消費用などがかかります。売却益(譲渡所得)が出た場合は所得税・住民税がかかり、税率は所有期間5年超の長期譲渡でおおよそ20.315%、5年以下の短期譲渡でおおよそ39.63%が目安です(2026年時点)。マイホームの売却では、要件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があり、所有期間10年超であればさらに軽減された税率が適用される特例もあります。反対に譲渡損失が出た場合も、マイホームであれば他の所得と損益通算し、繰り越して控除できる特例が用意されています。いずれも適用要件は個々の状況により異なるため、確定申告の前に税理士や国税庁で確認しながら進めるのが確実です(2026年時点)。
7. 事情がある売却|住み替え・相続・離婚・急ぎの売却
住み替えにともなう売却では、自宅を売ってから新居を買う「売り先行」と、新居を買ってから売る「買い先行」があり、資金の余裕度によって向き不向きが変わります。転勤などで一時的に住まなくなる場合は、戻る可能性・収支・税制上の期限という3つの軸で貸すか売るかを考えると判断しやすくなります。相続した実家を売却するには、まず相続登記で名義を変える必要があり、空き家の特例など税制面の確認もあわせて必要です。離婚にともなう不動産の整理は、売却して分けるかどちらかが住み続けるかの2択が基本で、名義・ローンの契約形態・売却額の見通しを確認しながら進めます。急いで売りたい場合は仲介・即時買取・買取保証という選択肢があり、まず期限と必要額を明確にすることが判断の出発点です。なかなか売れない場合も、価格だけでなく広告や内覧対応など見直せる観点があります。それぞれの事情に応じて、落ち着いて選択肢を整理していくことが大切です。
よくある質問
マンション・住宅の売却にはどのくらいの期間がかかりますか?
順調に進んだ場合でもおおよそ3〜6ヶ月が目安です。査定から媒介契約の締結までは1〜2週間程度、売り出し開始から購入希望者が現れるまでは数週間〜数ヶ月、売買契約から決済・引渡しまでは1〜2ヶ月程度を目安に、逆算してスケジュールを立てるとよいでしょう。
売却にはどんな費用がかかりますか?
中心になるのは仲介手数料で、上限は「売却価格×3%+6万円」に消費税を加えた額が目安です(売却価格400万円超の場合)。このほか売買契約書にかかる印紙税や、住宅ローンが残っている場合の抵当権抹消費用などがかかります。
売却で税金はかかりますか?
売却益(譲渡所得)が出た場合に所得税・住民税がかかりますが、マイホームの売却では要件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があり、課税されないケースも多くなっています(2026年時点)。
住みながらでも売却できますか?
できます。内覧では整理整頓や水回りの清潔感、におい・明るさへの配慮が印象を左右します。日程調整は仲介会社と相談しながら、柔軟に対応していくとよいでしょう。
まとめ
マンション・住宅売却は、査定・媒介契約・売り出し・内覧・契約・決済引渡しという流れで進み、全体でおおよそ3〜6ヶ月が目安です。費用は仲介手数料が中心で、税金は3,000万円特別控除により自宅の売却では課税されないケースも多くなっていますが、適用要件は状況によって異なります。住み替えや相続、離婚、急ぎの売却など、事情に応じた選択肢も用意されていますので、まずはご自身の状況を落ち着いて整理し、必要に応じて査定や個別相談から進めていただければと思います。
購入をお考えの方は、「マイホーム購入の完全ガイド|流れ・お金・物件選びの全体像」もご覧ください。