住まなくなる家を貸すか売るかは、その家に戻る可能性・貸した場合の収支・税制上の期限という3つの軸で考えると判断しやすくなります。どれか一つではなく、3つを組み合わせて検討することが大切です。
- 判断軸は「戻る可能性」「貸した場合の収支」「税制上の期限」の3つ。
- 転勤等で数年後に戻る予定があるなら、期限を区切れる定期借家契約が選択肢になる。
- 家賃収入は管理委託費・修繕費・固定資産税・空室期間を差し引いた実質収支で見る必要がある。
- 住宅ローンが残っている場合、貸すには金融機関への相談が必要になることがある。
- 自宅の3,000万円特別控除には、住まなくなってから3年目の年末までに売却するという期限の要件がある(2026年時点)。
戻る可能性で考える
まず考えたいのは、その家に将来戻る可能性があるかどうかです。転勤などの事情で数年後に戻る予定があるなら、期限を区切って貸すことができる定期借家契約が選択肢になります。契約期間が終われば更新されず、確実に自分の住まいとして戻ってくるという安心感があります。一方、戻る予定がないのであれば、保有し続ける理由を収支の面から説明できるかどうかが判断の分かれ目になります。
貸した場合の収支を現実的に見積もる
家を貸す場合は、家賃収入の額面だけで判断しないことが重要です。実際には、管理を委託する場合の委託費、経年による修繕費、保有中もかかり続ける固定資産税、そして空室期間中は収入が発生しないことまで含めて、実質的な収支を見積もる必要があります。表面的な家賃だけを見て貸すことを決めてしまうと、想定より手残りが少なくなることがあります。とくに空室期間が長引いた場合の収支への影響は見落とされがちなため、余裕を持って見積もっておくことが大切です。
住宅ローンが残っている場合の注意
住宅ローンは、原則として自分が住むことを前提とした融資です。そのため、住宅ローンが残っている家を人に貸す場合は、事前に金融機関へ相談する必要があります。転勤など、やむを得ない事情で一時的に貸す場合の取り扱いは金融機関によって異なるため、貸すことを検討し始めた段階で確認しておくと安心です。住宅ローンが残っている家の売却についてはbaibai-23.htmlでも整理しています。
税制上の期限
自宅を売却したときに使える3,000万円特別控除には、住まなくなってから3年目の年末までに売却するという期限の要件があります(2026年時点)。長く貸し続けてから売却しようとすると、この特例の期限を過ぎてしまい、使えなくなる可能性があります。最新の要件は国税庁等でご確認ください。売却時の税金の基本はsell-05.htmlでも整理しています。
貸してから売る場合の注意
一定期間貸してから売却する場合、賃借人がいる状態での売却、いわゆるオーナーチェンジ売却になります。オーナーチェンジ物件は、購入後にすぐ自分で住みたいと考える買主の選択肢から外れるため、居住用として売却する場合よりも買い手の層が狭まり、価格が伸びにくくなることがあります。すでに賃貸中の物件を売却する場合の進め方は、sell-17.htmlで詳しく整理しています。売却を検討する段階になってから賃貸借契約の内容を確認するのではなく、貸し始める時点で将来の売却も見据えて契約条件を整理しておくと安心です。
よくある質問
転勤の間だけ家を貸すことはできますか?
できます。戻る前提であれば、期限を区切れる定期借家契約が向いています。住宅ローンが残っている場合は、事前に金融機関へ相談する必要があります。
貸すのと売るのはどちらが得ですか?
一律には言えません。貸す場合は空室・修繕・税金まで含めた実質収支で判断し、戻らないのであれば売却のシンプルさと税制特例の期限もあわせて考慮するとよいでしょう。
何年か貸してから売ると税金は変わりますか?
自宅の3,000万円特別控除には、住まなくなってから3年目の年末までという期限の要件があります。長く貸すと使えなくなる可能性があるため、2026年時点の情報として税理士に確認することをおすすめします。
まとめ
家を貸すか売るかは、戻る可能性・収支・税制の期限という3つの軸で考えると整理しやすくなります。特に自宅の特別控除には期限があるため、判断を先延ばしにしすぎないことも大切です。