Column ・ 外国人向け ・ Vol.55

留学生のための、部屋探しから入居までの道のり

来日前の書類・お金の準備から、部屋探し、契約、そして入居後の手続きまで。初めての一人暮らしでも迷わないよう、留学生の部屋探しの流れを一つずつ丁寧に解説します。

日本での部屋探しは、書類や仕組みに慣れない留学生にとって、分からないことが多いものです。この記事では、来日のおよそ3か月前から入居後の手続きまで、留学生の部屋探しの流れを時系列に沿って、一つずつとても丁寧に解説します。専門的な言葉が出てくるたびに、やさしい説明を添えていますので、初めての方でも安心して読み進めてください。

この記事の要点
  • 来日のおよそ3か月前から準備を始めると安心。特に新学期が始まる1〜4月は物件が混み合うため早めの行動が大切。
  • 初期費用の目安は家賃の4.5〜6か月分+家具家電の費用。海外送金は時間がかかるため余裕を持って準備する。
  • 住まいの選択肢は学生寮・シェアハウス・家具付きマンスリー・一般の賃貸マンションなど複数ある。
  • 入居審査では家賃の支払い能力(仕送りや奨学金)を説明できるようにしておく。保証会社の利用がほぼ必須。
  • 入居後は役所の転入届・マイナンバー・銀行口座の開設も必要。忘れずに進めよう。

来日3か月前から入居までの全体スケジュール

留学生の部屋探しは、来日のどれくらい前から動き出すかによって、余裕を持って進められるかどうかが大きく変わります。目安として、来日のおよそ3か月前から書類やお金の準備を始め、1〜2か月前には住まいの選択肢を調べたり、可能な範囲でオンラインでの部屋探しを始めたりするとよいでしょう。来日後は、実際の内見(可能な場合)、本申込み、入居審査、契約、入居という流れで進みます。特に新学期が始まる1〜4月は、進学・入学のタイミングと重なって多くの留学生が同時に部屋を探すため、人気の物件はすぐに決まってしまうことがあります。この時期に入居を予定している方は、できるだけ早めに動き始めることをおすすめします。

STEP1 来日前の準備|書類とお金を整える

まず準備しておきたいのが書類です。パスポートに加えて、在留資格認定証明書(COE)と呼ばれる書類が必要になります。これは「留学」の在留資格で日本に滞在してよいことを、日本の出入国在留管理庁があらかじめ認めたことを示す証明書で、多くの場合は学校を通じて発行され、来日時のビザ申請に使います。このほか、学校からの合格通知書や在学証明書、証明写真(サイズが指定されていることが多いので、事前に確認しておくと安心です)も用意しておきましょう。契約全般に必要な書類については賃貸契約に必要な書類|在留カード・住民票・収入証明で詳しく整理しています。

お金の面では、初期費用として家賃のおよそ4.5〜6か月分を見込んでおくと安心です(内訳は後ほどSTEP5で詳しく説明します)。これに加えて、家具や家電をそろえる費用も必要になります。海外からの送金は数日から数週間ほどかかることがあるため、入居のタイミングに間に合うよう、余裕を持って準備を進めることが大切です。

STEP2 住まいの選択肢を知る|学生寮・シェアハウス・マンスリー・一般賃貸

来日する留学生の住まいには、いくつかの選択肢があります。それぞれの特徴を知っておくと、自分に合った選び方がしやすくなります。

学校が提携する学生寮・学生会館は、費用が比較的抑えられ、契約の手続きも簡単なことが多い選択肢です。シェアハウスは、個室と共用スペースを組み合わせた住まいで、初期費用が抑えられ、外国籍の入居者の受け入れに慣れている運営会社も多くあります(詳しくはシェアハウスという選択肢|普通の賃貸との違い)。家具付きのマンスリーマンションは、家具・家電がそろった状態ですぐに住み始められるのが特徴で、来日直後の仮住まいとして選ばれることも多い選択肢です(家具付き物件・マンスリーマンションと普通の賃貸の違いもあわせてご覧ください)。そして、選択肢が最も広いのが一般の賃貸マンションですが、初期費用や契約の手続きがやや複雑になる傾向があります。

日本語や日本の制度に不安がある場合は、まず家具付きのマンスリーマンションで来日し、実際に街の様子を見ながら一般の賃貸マンションを本契約する、という二段構えの進め方も一つの方法です。焦らず現地で情報を集めてから本契約に進めるという安心感があります。

STEP3 部屋を探す|来日前のオンライン内見と相談先

来日前であっても、オンライン内見を活用すれば部屋探しを進めることができます(来日前にできるお部屋探し|オンライン内見の活用と注意点)。物件を選ぶ際は、「外国人可」と明記された物件を選ぶと、審査や手続きがスムーズに進みやすくなります。

一人で探すのが不安な場合は、学校の住まい紹介窓口や留学生支援課に相談してみましょう。学校によっては提携している不動産会社を紹介してくれる場合もあります。日本語でのやりとりに不安がある方は、英語など多言語に対応している不動産会社を選ぶのも一つの方法です。

STEP4 申込みと入居審査|必要書類と保証会社

気に入った部屋が見つかったら、入居の申込みを行います。このときに必要になる主な書類は、在留カード(空港で交付される場合と、後日郵送で交付される場合があります)、パスポート、学生証または合格通知書、そして日本国内の緊急連絡先です。

入居審査では、家賃をきちんと支払っていけるかどうかが主に見られます(詳しくは入居審査で見られるポイントと準備しておきたいこと)。留学生の場合は、仕送りや奨学金について説明できるようにしておくと、審査がスムーズに進みやすくなります。在留資格によって審査の通りやすさが変わることもあるので、在留資格の種類と賃貸契約のしやすさ|留学生・技能実習・高度人材でどう変わるかもあわせて参考にしてください。

また、多くの賃貸物件では、個人の連帯保証人に代わって保証会社を利用することがほぼ必須となっています(保証会社と連帯保証人の仕組み|保証人がいない場合の考え方)。学校によっては、留学生住宅総合補償のような機関保証を利用できる場合もありますので、契約前に確認しておくと安心です。

STEP5 契約|重要事項説明と初期費用の内訳

審査に通ると、いよいよ契約に進みます。契約の前には、宅地建物取引士による重要事項説明が行われ、その後に契約書を取り交わします(賃貸借契約の流れ|重要事項説明と特約の確認)。内容に分からない点があれば、遠慮せずその場で質問しましょう。

初期費用にはいくつかの項目が含まれています。何にいくらかかるのか、一つずつ確認しておきましょう(詳しくは敷金・礼金・更新料とは|日本特有の費用の意味と目安)。

  • 敷金:退去時の原状回復などに充てられ、使わなかった分は返還される、いわば預け金です。
  • 礼金:大家さんへのお礼として支払うもので、退去時に返還されません。
  • 仲介手数料:不動産会社への手数料で、家賃1か月分+消費税が上限の目安です。
  • 保証委託料:保証会社を利用するための費用で、家賃の50〜100%程度が目安です。
  • 火災保険料:万一の際に備える保険で、加入が求められることがほとんどです(家財保険(借家人賠償)とは|加入が求められる理由)。
  • 鍵交換費用:入居前に鍵を交換するための費用です。

礼金や、契約更新の際にかかる更新料は、退去時に戻ってこないお金です。この点は先に知っておくことで、資金計画を立てやすくなります。

STEP6 入居の準備|ライフラインと家具家電

契約が終わったら、いよいよ入居の準備です。電気・ガス・水道の開通手続きは、入居日までに済ませておく必要があります(入居時のライフライン開通手続き|電気・ガス・水道・インターネット)。特にガスは、開通時に立ち会いが必要になることが多いため、早めに予約しておきましょう。

日本の賃貸物件は、照明器具やカーテンさえもついていないことが一般的です(日本の賃貸に「ついている設備」と自分で用意するもの|照明・カーテン・コンロ)。入居してから困らないよう、必要な家具・家電のリストを事前に作っておくと安心です。インターネットの契約も、開通までに時間がかかることがあるため、早めに手続きを進めておきましょう。

STEP7 入居当日|鍵の受け取りと基本ルール

入居当日は、まず管理会社や大家さんから鍵を受け取ります。このとき、室内にすでにある傷や汚れを写真に記録しておくことを強くおすすめします。退去時の敷金精算の際に、「入居前からあった傷か、入居中についた傷か」で行き違いが起きることを防ぐ、自分の身を守る記録として役立ちます(退去時の原状回復と敷金の精算|トラブルを避けるには)。

また、日本の住まいには、玄関で靴を脱いで生活するなど、基本的な生活ルールがあります(入居後の生活ルール|ゴミ出し・騒音・退去予告の基本)。最初は戸惑うことも多いと思いますが、少しずつ慣れていけば大丈夫です。

入居後すぐにやること

入居が終わったら、役所での転入届の提出や、マイナンバー(個人番号)の交付手続きも必要になります(入居後にやる役所の手続き|住民登録・住所変更)。また、家賃の支払いを口座振替にする場合は、日本の銀行口座の開設も必要です(マイナンバーと銀行口座|家賃の口座振替を始めるまでに必要なこと家賃の支払い方法|口座振替・振込・クレジットカード)。これらの手続きは来日直後にまとめて進めることになるので、事前にどんな手続きが必要かを知っておくだけでも、当日の負担がぐっと軽くなります。

よくある質問

日本に保証人になってくれる人がいません。それでも部屋は借りられますか?

多くの賃貸物件では、個人の連帯保証人の代わりに保証会社を利用することができます。保証人がいなくても、保証会社の審査に通れば契約できるケースがほとんどです。学校によっては、留学生向けの機関保証制度を利用できる場合もあるので、学校の窓口にも確認してみましょう。

日本語がほとんど話せなくても、部屋を借りられますか?

不動産会社によって対応は異なりますが、英語など多言語での対応に慣れている会社もあります。学校の留学生支援課や、自治体・国際交流協会の多言語相談窓口に相談することもできます(多言語相談窓口の活用|自治体・国際交流協会・大使館)。

来日前に契約まで済ませておくことはできますか?

物件や不動産会社によっては、オンライン内見や、IT重説・電子契約を活用することで、来日前に契約まで進められる場合があります(オンラインで完結する契約|電子契約とIT重説とは)。ただし、実際に部屋を見ずに契約することへの不安がある場合は、まず家具付きのマンスリーマンションで来日し、現地で内見してから本契約に進む方法もあります。

まとめ

留学生の部屋探しは、書類の準備、住まいの選び方、契約、そして入居後の手続きと、確認することがたくさんあります。ですが、来日前から一つずつ順を追って進めていけば、決して難しいものではありません。言葉の面でも、保証人の面でも、お金の面でも、不安なことがあれば一人で抱え込まず、学校や不動産会社に相談しながら進めていきましょう。

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