Column ・ 売却 ・ Vol.38

個人間売買はできるのか|仲介を入れないリスク

知人や親族へ直接売却するなど、仲介を入れずに不動産を売買することは法律上可能ですが、実務上のリスクは大きくなります。注意点を整理します。

不動産会社を介さず、売主と買主が直接契約を交わす個人間売買を検討する方もいます。仲介手数料を抑えられる一方で、実務上のリスクも大きくなるため、基本的な考え方を整理します。

この記事の要点
  • 個人間売買は法律上禁止されているわけではない。
  • 仲介を入れないと、契約書面の不備によるトラブルが起きやすくなる。
  • 相場を客観的に把握しにくく、価格設定を誤るリスクがある。
  • 住宅ローンを利用する場合、金融機関が仲介会社の関与を求めることがある。
  • 親族間売買であっても、契約内容の書面化は欠かせない。

個人間売買は違法ではないという前提

宅地建物取引業者を介さずに、個人同士で不動産の売買契約を結ぶこと自体は、法律で禁止されているわけではありません。ただし、宅地建物取引業法は不動産会社が事業として仲介や売買を行う場合を規律するものであり、個人間の取引には重要事項説明などの保護の仕組みが働きません。

契約書面の不備によるリスク

仲介を入れない場合、契約不適合責任の範囲や免責事項、手付解除の期限といった条項を、当事者だけで漏れなく取り決める必要があります。書式のひな形を使っても、物件固有の事情が反映されていないと、後々のトラブルにつながりやすくなります。付帯設備の状態や境界の確認といった、通常であれば仲介会社が調整する事項も、当事者だけで漏れなく確認する必要があります。

価格設定のリスク

仲介会社を通さない場合、成約事例や査定の考え方といった相場情報を客観的に把握しにくく、相場からかけ離れた価格で契約してしまうおそれがあります。売却相場の調べ方はsell-02.htmlで整理していますので、個人間売買を検討する場合でも参考にしておくとよいでしょう。

決済・登記手続きのリスク

所有権移転登記は司法書士に依頼することができますが、住宅ローンを利用する取引では、金融機関が契約内容の確認のために仲介会社や司法書士の関与を求めるケースがあります。融資の可否にも関わるため、事前に金融機関へ確認しておくことが必要です。

親族間売買など限定的なケースでの考え方

親族間の売買であれば、信頼関係がある分トラブルは起きにくいと考えられがちですが、それでも契約書を作成し、価格の妥当性や税務上の取り扱いを確認しておくことが望ましいとされています。特に贈与とみなされないよう、適正な価格での取引を心がける必要があります。相場より著しく低い価格で売買すると、差額分に贈与税が課される場合があるため注意が必要です。取引価格の妥当性を示す資料として、事前に第三者の査定を取得しておくことも有効な対策の一つです。

仲介を利用するメリット

仲介会社を利用すれば、重要事項説明や契約書の作成、必要書類の確認まで一貫してサポートを受けられます。売却時に必要な書類の一覧はsell-19.htmlで整理していますので、個人間売買を検討している場合も、まずは仲介の利用を含めて比較検討することをおすすめします。仲介手数料がかかる分、トラブル発生時の相談先が確保できるという安心感も比較材料の一つです。特に住宅ローンを利用する取引や、相続不動産が絡む取引では、仲介を利用するメリットがより大きくなります。取引の複雑さに応じて、費用と安心感のバランスを見比べながら判断するとよいでしょう。

よくある質問

個人間売買は違法ですか?

違法ではありません。宅地建物取引業者を介さずに個人同士で不動産を売買すること自体は法律上可能です。ただし実務上のリスクは大きくなります。

住宅ローンを使う場合、個人間売買はできますか?

金融機関によっては、契約内容の確認のために仲介会社や司法書士の関与を求められる場合があります。事前に利用予定の金融機関へ確認しておく必要があります。

親族間ならば仲介はいらないですか?

親族間であっても、契約不適合責任や税務上の取り扱いをめぐるトラブルを避けるため、契約書を書面化し必要な手続きを踏んでおくことが望ましいとされています。

まとめ

個人間売買は法律上禁止されてはいませんが、契約書面の不備や価格設定の誤り、決済手続きの面で実務上のリスクが大きくなります。親族間であっても書面化を怠らず、必要に応じて仲介会社や司法書士の利用を検討することをおすすめします。

個人間売買の進め方についても、無料でご相談いただけます。

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