囲い込みは、売却を任せた仲介会社が自社の利益を優先することで、売主に不利益が生じる可能性がある行為です。仕組みと、売主自身が確認できる対策を整理します。
- 囲い込みは、売主と買主の双方から仲介手数料を得る両手仲介を狙う行為。
- 他社からの問い合わせに「商談中」などと偽って断るケースがある。
- レインズの登録状況やステータスは売主自身でも確認できる。
- 専任媒介・専属専任媒介はレインズ登録が義務付けられている。
- 販売状況の報告を定期的に受け、反響数を把握しておくことが対策になる。
囲い込みとは何か
囲い込みとは、売却を任された仲介会社が、他の不動産会社からの購入希望者の問い合わせに対し、実際には商談が進んでいないにもかかわらず「商談中です」などと偽って断り、自社の顧客だけで成約させようとする行為を指します。他社の営業担当者が問い合わせて断られたにもかかわらず、後日別の担当者を装って問い合わせると内覧できてしまう、といった形で発覚することもあります。
なぜ囲い込みが起きるのか(両手仲介の仕組み)
仲介会社は、売主と買主の双方から仲介手数料を受け取る「両手仲介」が成立すると、片方からしか受け取れない場合より収入が大きくなります。この構造が、他社の顧客を紹介させないようにする動機につながることがあります。片手仲介の場合に比べて、両手仲介では仲介会社が受け取る手数料の合計が大きくなるため、他社の顧客を排除する誘因が生まれやすいと指摘されています。媒介契約の仕組みについては、baibai-13.htmlでも整理しています。
囲い込みが起きるとどうなるか
囲い込みが起きると、本来であればもっと早く、あるいはより良い条件で購入したい買主がいたとしても、その情報が売主に伝わらないまま販売期間が延びてしまうことがあります。結果として、売却価格や売却期間に悪い影響が出る可能性があります。特に専任媒介・専属専任媒介では、売主が他の仲介会社に並行して依頼できないため、囲い込みが起きても売主が気づきにくいという問題があります。
売主が確認できる対策
売主が取れる対策としては、定期的な販売状況の報告を受け、問い合わせ件数や内覧件数を具体的に確認することが基本です。反響があるはずの時期に問い合わせが極端に少ない場合は、状況を仲介会社に確認してみるとよいでしょう。問い合わせのあった不動産会社名や検討状況まで細かく開示してもらうことも、状況を把握するうえで有効です。
レインズの登録証明書とステータス確認
専任媒介・専属専任媒介契約では、物件情報を指定流通機構(レインズ)に登録することが法律上義務付けられています。登録が完了すると発行される「登録証明書」を売主自身が受け取り、内容を確認できます。また、レインズの取引状況(ステータス)が「公開中」になっているか、売主自身でも確認する権利があります。ステータスが「書面による購入申込みあり」などになっている場合は、その根拠を仲介会社に確認してみましょう。レインズのステータスは、専任・専属専任媒介契約を結んだ売主に付与される閲覧用のIDとパスワードで確認できます。
媒介契約の種類との関係
一般媒介契約であれば複数の仲介会社に依頼できるため、囲い込みのリスクは比較的下がりますが、各社の対応にばらつきが出やすいという別の課題もあります。媒介契約の種類ごとの特徴を踏まえたうえで、囲い込みへの懸念があれば早めに仲介会社へ相談することが大切です。
よくある質問
囲い込みをされているかどうか、自分で確認できますか?
専任媒介・専属専任媒介であれば、レインズの登録証明書やステータスを確認できます。問い合わせ件数や内覧件数の報告と合わせて確認するとよいでしょう。
囲い込みはなぜ起きるのですか?
仲介会社が売主・買主の双方から手数料を得られる両手仲介を成立させようとする動機が背景にあるとされています。
囲い込みが疑われる場合はどうすればよいですか?
まずは仲介会社に販売状況やレインズのステータスについて具体的に確認しましょう。改善されない場合は、契約の見直しも選択肢になります。
まとめ
囲い込みは、両手仲介を狙って他社からの問い合わせを遮断する行為で、売主の不利益につながる可能性があります。レインズの登録証明書やステータス、販売状況の報告を定期的に確認することが、売主自身にできる対策になります。