自宅の一部を賃貸に出している賃貸併用住宅や、1階が店舗、上階が住居になっている店舗付き住宅は、通常の住宅とは異なる観点から査定・売却が進みます。賃貸部分・店舗部分をどう評価するか、買主層がどう変わるかなど、売却を検討する際に押さえておきたいポイントを整理します。
- 賃貸併用住宅・店舗付き住宅は、居住部分と賃貸・店舗部分をあわせて評価する必要がある。
- 賃貸部分がある場合は、賃貸借契約の内容や入居者の状況が査定・買主探しに影響する。
- 買主層は、実需(自己居住)目的の買主と、投資目的の買主の両方が考えられる。
- 賃貸部分に入居者がいる場合は、賃貸借契約が売却後も買主に引き継がれる点を理解しておく必要がある。
- 用途地域や建築基準法上の制限によって、店舗部分の使い方に制約がある場合は事前に確認しておく。
賃貸併用住宅・店舗付き住宅の査定の考え方
通常の戸建てやマンションは、主に取引事例比較法で査定額が算出されますが、賃貸併用住宅や店舗付き住宅の場合は、賃貸部分・店舗部分の収益力もあわせて評価されることがあります。居住部分は取引事例比較法、賃貸部分は収益還元法という形で、部分ごとに異なる手法を組み合わせて査定されるケースがある点を押さえておきましょう。査定手法の考え方全般はsell-39.htmlで整理しています。
賃貸部分に入居者がいる場合の扱い
賃貸部分に入居者がいる状態で売却する場合、賃貸借契約は原則として買主に引き継がれます。これはオーナーチェンジ売却と同様の考え方であり、入居者の家賃や契約条件、敷金の引き継ぎなどを整理しておく必要があります。オーナーチェンジ売却の進め方についてはsell-17.htmlで詳しく整理しています。
買主層の広がりと訴求の仕方
賃貸併用住宅や店舗付き住宅は、自分で住みながら家賃収入を得たいという実需の買主と、投資として収益性を重視する買主の両方に訴求できる可能性があります。どちらの層に向けて売却活動を進めるかによって、広告の見せ方や強調するポイントが変わってくるため、仲介会社と方針をすり合わせておくことが大切です。
用途地域や建築基準法上の確認事項
店舗部分がある建物は、用途地域によって使用できる業種に制限がある場合や、建築基準法上の用途変更に関する制約がある場合があります。買主が店舗部分をどのように使う予定かによって、こうした制限が問題になることもあるため、法令上の制約について事前に確認しておくと、売却活動の中でも説明がしやすくなります。
売却時に準備しておきたい資料
賃貸併用住宅・店舗付き住宅を売却する際は、通常の売却時に必要な書類に加えて、賃貸借契約書、入居者の家賃明細、店舗部分の用途に関する資料などを準備しておくとスムーズです。売却時に必要な書類の全体像はsell-19.htmlで整理していますので、あわせて確認しておきましょう。
よくある質問
賃貸部分の入居者に売却の事実を伝える必要はありますか?
賃貸借契約は売却後も買主に引き継がれるのが原則です。入居者への伝え方やタイミングについては、トラブルを避けるためにも仲介会社と事前に相談しておくことをおすすめします。
実需向けと投資向け、どちらの買主を想定すればよいですか?
建物の状況や賃貸部分の割合によって向き不向きがあります。どちらの層に訴求するかは、査定を依頼する仲介会社と相談しながら方針を決めていくとよいでしょう。
店舗部分があると売却がしにくくなりますか?
用途地域や建築基準法上の制限がある場合、買主が想定する使い方によっては制約になることがあります。ただし制限の内容を正確に説明できれば、店舗需要のある買主に訴求できる面もあります。
まとめ
賃貸併用住宅・店舗付き住宅の売却は、居住部分と賃貸・店舗部分をあわせて評価する視点が必要です。賃貸借契約の引き継ぎや用途上の制限を整理し、実需・投資の両方の買主層を視野に入れて進めていきましょう。