Column ・ 売却 ・ Vol.41

境界標がない・隣地と揉めている土地の売却|筆界特定と越境の整理

境界標がない、あるいは隣地と境界の認識が食い違っている土地は、売却の前に整理しておきたい事項があります。筆界特定制度や越境の扱いを整理します。

土地を売却する際、買主は境界がどこにあるかを重視します。境界標が見当たらない場合や、隣地の所有者と境界の認識が食い違っている場合、そのままでは買主に安心して購入してもらいにくくなります。sell-18.htmlでは土地売却全体の流れを整理していますが、ここでは境界に問題がある場合に絞って対応の考え方を整理します。

この記事の要点
  • 境界標がない、または隣地と境界の認識が食い違っている土地は、売却前に整理しておくと買主の不安を減らせる。
  • 境界を明らかにする方法には、隣地所有者との合意による確定測量と、法務局の筆界特定制度がある。
  • 隣地所有者の協力が得られない場合でも、筆界特定制度を利用すれば筆界の位置について公的な判断を得られる。
  • ブロック塀や庇(ひさし)が隣地に越境している場合は、覚書を交わすなどして将来のトラブルを防ぐ工夫がある。
  • 境界に関する交渉は専門知識を要するため、土地家屋調査士など専門家に相談しながら進めるのが基本となる。

境界が確定していない土地の何が問題になるのか

境界が確定していないと、買主は購入後の土地の範囲が正確にわからないまま契約することになり、不安を感じやすくなります。境界標が見当たらない、または隣地の所有者と境界の位置についての認識が食い違っているケースは珍しくありません。売却を検討する段階で、境界の状況を確認しておくことが最初の一歩になります。

境界を確定させる方法(確定測量)

最も基本的な方法は、隣地の所有者全員の立ち会いのもとで境界を確認し、合意のうえで境界標を設置する確定測量です。土地家屋調査士に依頼して測量を行い、隣地所有者と境界確認書を取り交わすことで、境界の位置について合意した記録が残ります。この記録があることで、買主も安心して購入を検討しやすくなります。

隣地の協力が得られない場合の筆界特定制度

隣地の所有者が立ち会いに応じない、あるいは境界について意見が対立している場合は、法務局の筆界特定制度を利用する方法があります。これは筆界特定登記官が外部の専門家の意見を踏まえて、登記上の境界(筆界)がどこにあるかを判断する制度で、隣地所有者の同意がなくても手続きを進められる点が特徴です。ただし筆界特定はあくまで筆界の位置を明らかにするものであり、所有権の範囲(所有権界)をめぐる争いそのものを解決するものではない点には注意が必要です。

越境がある場合の整理の仕方

ブロック塀や庇、給排水管などが隣地に越境している場合は、そのままでは買主にとって将来のトラブルの種になり得ます。越境の事実を隣地所有者と確認し、越境を解消するか、解消が難しい場合は将来の建て替え時に是正する旨を定めた覚書を取り交わしておくと、買主に対しても状況を説明しやすくなります。

境界問題を抱えた土地の売却の進め方

境界に関する整理には時間がかかることが多いため、売却を検討し始めた段階で早めに土地家屋調査士へ相談し、必要な手続きの見通しを立てておくことをおすすめします。境界確定に時間がかかる場合は、その状況を仲介会社と共有し、売り出しのタイミングや買主への説明方法をあわせて検討していくとよいでしょう。土地売却全体の流れはsell-18.htmlで整理しています。

よくある質問

境界標がなくても土地は売却できますか?

境界標がない状態でも売却自体は可能ですが、買主が境界の位置に不安を感じ、購入をためらう要因になることがあります。可能な範囲で境界を明確にしてから売り出すことをおすすめします。

隣地の所有者が境界確認に協力してくれない場合はどうすればよいですか?

隣地所有者の協力が得られない場合は、法務局の筆界特定制度を利用して筆界の位置について公的な判断を得るという選択肢があります。手続きの詳細は土地家屋調査士など専門家へ相談することをおすすめします。

越境があるとわかった場合、解消しないと売却できませんか?

越境を解消しなければならないわけではありません。解消が難しい場合は、将来の是正について定めた覚書を隣地所有者と取り交わし、その内容を買主に説明したうえで売却を進めるという方法もあります。

まとめ

境界標がない土地や隣地と境界の認識が食い違っている土地は、確定測量や筆界特定制度を通じて状況を整理してから売り出すことで、買主の不安を減らし、スムーズな売却につながります。境界に関する交渉は土地家屋調査士など専門家に相談しながら進めましょう。

境界にご不安のある土地も、まずはご相談ください。

筆界特定や越境の整理についても状況に応じてご案内します。