Column ・ 管理 ・ Vol.39

繁忙期・閑散期で変える募集戦略

賃貸募集は時期によって反響の集まりやすさが変わります。繁忙期・閑散期それぞれで意識したい募集戦略の考え方を整理します。

同じ募集条件でも、繁忙期に出すか閑散期に出すかで反響の集まり方は大きく変わります。空室対策の基本を踏まえたうえで、時期に応じてどう戦略を変えるべきか、繁忙期・閑散期それぞれの考え方を整理します。

この記事の要点
  • 賃貸市場には、進学・転勤にともなう引越しが集中する繁忙期と、動きが鈍る閑散期がある。
  • 繁忙期は反響が集まりやすい時期のため、募集条件よりも情報発信のスピードが重要になりやすい。
  • 閑散期は競合物件との差別化が難しくなるため、条件面やPRの見直しが検討材料になる。
  • ADや賃料などの条件は、時期に応じて機動的に調整することが空室対策として有効な場合がある。
  • 通年を通した空室対策の組み立てが、繁忙期・閑散期どちらにも対応しやすい体制につながる。

賃貸募集における繁忙期・閑散期の違い

賃貸市場では、進学や就職、転勤にともなう引越しが集中する時期に問い合わせや内見が増える傾向があり、それ以外の時期は相対的に動きが鈍くなります。この繁閑の差は、募集戦略を考えるうえでの前提になります。繁忙期は放っておいても反響が集まりやすい一方、閑散期は同じ募集条件のままでは空室期間が延びやすくなります。エリアや物件のタイプ(学生向け、ファミリー向けなど)によっても繁閑の波の出方は異なるため、自物件の傾向を把握しておくことも欠かせません。

繁忙期の募集の考え方

繁忙期は入居希望者の動きが活発なため、募集条件を大きく変えるよりも、写真や掲載情報を早めに整え、問い合わせへの対応スピードを高めることが重要になります。反響が集まりやすい時期だからこそ、内見の調整や申込みの受付が遅れると、他の物件に先を越されてしまう可能性があります。事前の準備(原状回復の完了、写真撮影、掲載情報の整備)を繁忙期の前に済ませておくことが望まれます。

閑散期に工夫したい募集条件・PRの見直し

閑散期は、繁忙期に比べて入居希望者の絶対数が少なくなるため、競合物件との差別化がより重要になります。フリーレントの設定、初期費用の見直し、写真やPR文の刷新など、募集条件全体を点検し、埋もれない工夫をすることが検討材料になります。閑散期こそ、原状回復やリフォームなど次の繁忙期に向けた準備期間として活用する考え方もあります。

AD(広告料)や条件を時期に応じて調整する考え方

AD(客付け会社への広告料)や賃料などの条件は、繁忙期・閑散期で機動的に見直すことも空室対策のひとつです。閑散期に客付け会社の優先度を高めたい場合はADを見直す、繁忙期は条件を維持しつつ対応スピードを優先するなど、時期に応じたメリハリのある調整が有効な場合があります。ADの考え方については、別記事(入居者募集の仕組み)もあわせてご確認ください。

写真・掲載情報の見直しタイミング

写真や掲載情報は、季節や時期によって物件の見え方が変わることもあるため、繁忙期に向けて事前に見直しておくとよいでしょう。特に閑散期に長く掲載されたままの情報は、入居希望者から見て「動きのない物件」という印象を与えかねないため、定期的な情報の更新が望まれます。

通年での空室対策の組み立て方

繁忙期・閑散期それぞれに個別対応するだけでなく、年間を通じたスケジュールとして空室対策を組み立てておくことが望まれます。閑散期のうちに原状回復や設備の見直しを済ませ、繁忙期に向けて万全の状態で募集を開始できるようにするなど、時期を見据えた計画性が、通年での安定した入居率につながります。管理会社と年間の見通しを共有しておくことで、退去の連絡を受けた時点から次の一手を早く打てるようになります。

よくある質問

閑散期は家賃を下げるしかありませんか?

賃料の見直しは選択肢のひとつですが、フリーレントの設定や初期費用の調整、写真・PRの見直しなど、賃料以外にも工夫できる余地があります。

繁忙期に向けて何をいつから準備すればよいですか?

原状回復工事や写真撮影、掲載情報の整備は、繁忙期が始まる前の閑散期のうちに済ませておくことが望ましいです。具体的な時期は管理会社と相談して決めるとよいでしょう。

ADは時期によって変えるべきですか?

必須ではありませんが、閑散期に客付け会社の優先度を高めたい場合など、時期に応じてADを見直す物件もあります。管理会社と相談しながら判断するとよいでしょう。

まとめ

繁忙期・閑散期では入居希望者の動きが異なるため、それぞれに適した募集戦略を意識することが空室対策につながります。通年でのスケジュールを見据えて準備を進めることが、安定した入居率の維持に有効です。

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