Column ・ 管理 ・ Vol.12

賃料の決め方と見直しのタイミング

賃料は高すぎれば空室期間が延び、低すぎれば収益を損ないます。新規募集時の設定と、既存契約の見直しの考え方を整理します。

賃料は高すぎれば空室期間が延び、低すぎれば収益を損ないます。新規募集時の設定と、既存契約の見直しの考え方を整理します。

この記事の要点
  • 賃料設定は、周辺の類似物件(築年数・広さ・設備)との比較が基本になる。
  • 空室期間が長引く場合は、賃料だけでなく募集条件全体の見直しを検討する。
  • 既存入居者の賃料は、契約期間中は原則として一方的に変更できない。
  • 賃料改定は、更新のタイミングや近隣相場との乖離を踏まえて協議するのが一般的。
  • 賃料を上げる・下げるいずれも、入居者との合意形成が基本となる。

新規募集時の賃料設定の考え方

新規募集時の賃料は、築年数、専有面積、設備、駅からの距離などが近い周辺物件の募集賃料を比較しながら設定するのが基本です。相場より大きく高い賃料を設定すると内見自体が入りにくくなり、逆に相場より下げすぎると本来得られるはずの収益を取りこぼすことになります。管理会社が保有する成約事例や周辺の募集状況をもとに、根拠のある賃料を設定することが重要です。また、同じ建物内で複数の部屋を保有している場合は、他の部屋の成約賃料も参考になります。

周辺相場をどう把握するか

周辺相場の把握には、ポータルサイトに掲載されている募集賃料に加えて、実際に成約した賃料の情報が参考になります。募集賃料と成約賃料には差があることが多く、管理会社が把握している近隣の成約事例を確認することで、より実態に近い相場感をつかむことができます。特に築年数や間取りが近い物件が少ないエリアでは、成約事例の少なさを踏まえて幅を持たせた相場観を持つことも必要です。

空室が続くときの賃料見直し

空室期間が想定より長引いている場合は、賃料の見直しが検討材料になります。ただし、賃料を下げる前に、写真やAD設定、室内の状態など募集条件全体を点検することも大切です。賃料だけを下げても、写真や情報が不十分なままでは反響が増えないこともあります。内見件数に対して申込みが少ない場合は賃料以外の条件を、内見件数自体が少ない場合は募集経路や写真の見直しを優先するなど、原因の切り分けも有効です。

既存入居者の賃料改定のタイミング

契約期間中の賃料は、貸主・借主双方の合意がない限り一方的に変更することはできません。既存入居者の賃料見直しを検討する場合は、多くは契約更新のタイミングに合わせて協議するのが一般的です。周辺相場との乖離が大きくなっている場合や、設備の更新を行った場合などが、見直しを検討するきっかけになります。

賃料改定の進め方と入居者との合意

賃料改定は、まず管理会社を通じて入居者に通知し、協議のうえで合意を得る形で進めるのが基本です。一方的な通告ではなく、近隣相場や物件の状態を踏まえた根拠を示すことで、入居者の理解を得やすくなります。合意が得られない場合は、現行賃料での更新となるケースもあります。合意形成の際は、書面で通知したうえで一定の回答期限を設けると、双方にとって進めやすくなります。

賃料以外に見直せる条件

賃料そのものの見直しだけでなく、フリーレント(一定期間の賃料無料)や敷金・礼金の減額など、賃料以外の条件を調整することで成約につなげる方法もあります。総支払額とのバランスを見ながら、どの条件を調整するかを管理会社と相談して決めるとよいでしょう。どの条件を組み合わせるかは、入居希望者の属性(学生、単身者、ファミリーなど)によっても有効な打ち手が異なります。

よくある質問

賃料は毎年見直すべきですか?

必ずしも毎年見直す必要はありません。周辺相場との乖離や設備の状況、更新のタイミングなどを踏まえて、必要に応じて検討するのが一般的です。

入居者が賃料の値上げに同意しない場合はどうなりますか?

双方の合意が得られなければ、原則として現行の賃料のまま更新されることになります。個別の対応については専門家に相談することをおすすめします。

賃料を下げれば必ず早く決まりますか?

一定の効果は見込めますが、写真や設備情報、AD設定など募集条件全体のバランスも影響するため、賃料の見直しだけで解決しない場合もあります。

まとめ

賃料設定は周辺相場との比較が基本であり、空室が続く場合は賃料だけでなく募集条件全体を見直すことが大切です。既存入居者の賃料改定は、契約更新のタイミングで根拠を示しながら協議するのが基本的な進め方です。

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