Column ・ 管理 ・ Vol.13

契約更新の実務|更新料・条件変更・法定更新

契約更新の時期には、更新料の請求や条件変更の協議が発生します。更新の実務と、合意に至らない場合の法定更新の考え方を整理します。

契約更新の時期には、更新料の請求や条件変更の協議が発生します。更新の実務と、合意に至らない場合の法定更新の考え方を整理します。

この記事の要点
  • 普通借家契約の更新では、更新料を求める慣行が地域によって異なる。
  • 関東圏では更新料が賃料の0.5〜1ヶ月程度とされることが多いが、地域差が大きい。
  • 更新にあたり、賃料や特約などの条件変更を協議することもある。
  • 更新の手続きが行われないまま契約期間が満了した場合は、法定更新となる。
  • 法定更新では、期間の定めのない契約として従前の条件が継続する。

契約更新の基本的な流れ

普通借家契約は、契約期間の満了前に更新の手続きを行うのが一般的です。管理会社が入居者に更新案内を送付し、更新料の有無や賃料の確認を行ったうえで、更新契約書を取り交わす、または覚書を交わす形で進めます。案内のタイミングは契約満了の1〜3ヶ月前が多く、余裕を持ったスケジュールで進めることが望まれます。更新業務は入居者ごとに時期が異なるため、管理会社は年間を通じてスケジュールを管理し、案内漏れが生じないよう体制を整えています。

更新料の相場と地域差

更新料は、契約更新にあたって借主が貸主に支払う金銭で、法律上の義務ではなく地域の慣行として定着しているものです。関東圏では賃料の0.5〜1ヶ月分程度とされることが多い一方、更新料の慣行がない地域もあり、地域差が大きいのが実情です。契約書に更新料の定めがある場合は、その内容に従うことになります。更新料の有無や金額は当初の賃貸借契約書に明記されているため、入居時点で入居者に説明しておくことも重要です。

更新時に条件変更を行う場合

更新のタイミングは、賃料の見直しや特約の見直しを行う機会にもなります。周辺相場との乖離が大きい場合や、設備を更新した場合などは、更新にあわせて条件変更を提案することがあります。ただし、条件変更には入居者の同意が必要であり、一方的に変更することはできません。条件変更の内容によっては、更新契約書に新しい条件を明記し、双方が署名・押印する形で合意を残しておくとよいでしょう。

更新書類・更新契約の実務

更新の手続きでは、更新契約書を新たに取り交わす方法と、覚書や合意書で簡易的に更新する方法があります。どちらの方法をとるかは管理会社や貸主の運用によって異なりますが、更新料の額や新しい契約期間などを書面で明確にしておくことが、後のトラブル防止につながります。

法定更新とは何か

貸主・借主のいずれからも更新拒絶の意思表示がないまま契約期間が満了した場合、契約は「法定更新」となり、期間の定めのない契約として従前と同じ条件で継続します。貸主側から更新を拒絶するには正当な事由が必要とされ、単に契約を終了させたいという理由だけでは認められないのが原則です。法定更新後に貸主が契約を終了させたい場合も、正当事由の有無や解約の手続きについて別途検討が必要になります。

更新をめぐるトラブルを避けるために

更新をめぐるトラブルの多くは、更新料の説明不足や、条件変更の通知が遅れることから生じます。更新案内は余裕を持って送付し、更新料や条件変更がある場合はその根拠を丁寧に説明することが、円滑な更新につながります。個別の法的な判断が必要な場合は、専門家に相談することをおすすめします。

よくある質問

更新料を払わないと契約は終了してしまいますか?

更新料の支払いを理由に直ちに契約が終了するわけではありません。契約書の定めや個別の事情によって扱いが異なるため、疑問がある場合は専門家に相談することをおすすめします。

更新のタイミングで賃料を上げることはできますか?

貸主から提案することは可能ですが、実際に変更するには借主の同意が必要です。合意が得られない場合は、従前の条件のまま更新されるのが一般的です。

法定更新になると何が変わりますか?

契約期間の定めがなくなり、それ以外の条件は従前のまま継続します。解約の手続きなど、期間の定めがある契約とは異なる点があるため注意が必要です。

まとめ

契約更新では、更新料の請求や条件変更の協議が発生することがあります。更新の意思表示がないまま満了すると法定更新となり、従前の条件のまま契約が継続します。地域慣行や個別の契約内容によって扱いが異なるため、丁寧な説明と書面での確認が欠かせません。

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