Column ・ 売買 ・ Vol.39

買ってすぐ売ることになったら|短期売却の現実

転勤や離婚など事情があって短期間で売却することになった場合に、知っておきたいお金と選択肢を整理します。

転勤や離婚、介護など、思いがけない事情で購入から数年のうちに家を手放すことになる方は少なくありません。購入から数年内の売却は、購入時と売却時の諸費用が回収できず持ち出しになるのが一般的ですが、自宅であれば3,000万円特別控除により税金がかからないケースも多くあります。

この記事の要点
  • 購入から数年内の売却は、諸費用が回収できず持ち出しになるのが一般的。
  • 購入時の諸費用は6〜9%程度、売却時にも仲介手数料などがかかり、価格が同じでも戻ってこない。
  • 売却益が出た場合、所有5年以下の短期譲渡は税率約39%と、5年超の長期譲渡(約20%)より重くなる。
  • 自宅の3,000万円特別控除には所有期間の要件がなく、適用できれば課税されないことが多い。
  • 転勤の場合は定期借家で貸して戻る選択肢もある。

結論:持ち出しになりやすいが、税金は別

転勤や離婚、介護など、思いがけない事情で購入からそれほど時間が経たないうちに家を手放すことになる方は少なくありません。数字の面から見ると、購入から数年内の売却は、購入時にかかった諸費用と売却にかかる費用が回収できず、持ち出しになるのが一般的です。ただし、自宅として住んでいた場合は、3,000万円特別控除により税金がかからないケースが多いという点は、覚えておいていただきたいポイントです。

なぜ損になりやすいか

住宅を購入する際には、物件価格の6〜9%程度の諸費用がかかります。売却時にも仲介手数料などの費用が発生するため、購入時と同じ価格で売れたとしても、これらの費用分は戻ってきません。数年の間に地価が上昇していれば相殺できる場合もありますが、それができるかどうかはエリアの状況次第という側面が大きくなります。

税率の壁

売却して利益(譲渡所得)が出た場合、所有期間が5年以下だと短期譲渡として約39%、5年を超える長期譲渡は約20%の税率が適用されます。短期での売却は税率の面でも不利になりやすい仕組みです。ただし、自宅を売却する場合に使える3,000万円特別控除には所有期間の要件がなく、適用できれば譲渡益への課税が発生しないことが多くなっています。ご自身のケースに当てはまるかどうかは事情によって異なりますので、心配な場合は無理に一人で抱え込まず専門家に相談してみてください。

住宅ローン控除との関係

新しい住まいで住宅ローン控除を受ける場合、売却した旧居について3,000万円特別控除を使うと、両方を同時に併用することはできない関係にあります。どちらを選んだ方が有利になるかは、控除額を試算してみないと判断がつきにくい部分です。焦って決めず、それぞれの数字を確認してから選ぶことをおすすめします(2026年時点の情報です。最新の取り扱いは国税庁や税理士にご確認ください)。

売る前に検討する選択肢

転勤が理由であれば、売却以外に定期借家契約で人に貸し、戻ってきたときに住むという選択肢も考えられます。また、住宅ローンの残債と査定額の関係も確認しておきたいポイントです。残債が査定額を上回るいわゆるオーバーローンの状態だと、売却そのものの難易度が上がることがあります。

動き方

事情があって急に動かなければならないときほど、まずは住宅ローンの残債を確認し、査定を取って「いくらの持ち出しになりそうか」を数字にしてみることをおすすめします。数字が見えると、気持ちの面でも整理がつきやすくなります。焦らず複数の会社に査定を依頼し、資金計画を整理しながら進めていただければと思います。

よくある質問

買ったばかりの家を売ると損しますか?

購入・売却にかかる諸費用が回収できず、持ち出しになるのが一般的です。まずは損失額を数字にしてから、売る・貸すの判断をしていくのが現実的です。

買って2年で売ると税金は高いですか?

売却益が出た場合、所有5年以下は短期譲渡として約39%の税率になります。ただし自宅であれば3,000万円特別控除により課税されないケースも多くあります(2026年時点・最新の取り扱いはご確認ください)。

転勤が決まったら売るしかないですか?

定期借家契約で貸し出し、戻ってきたときに住むという選択肢もあります。住宅ローンの取り扱いについては、金融機関への相談が必要です。

まとめ

転勤や離婚、介護など事情があって購入から数年で売却することになっても、それは珍しいことではありません。諸費用の面では持ち出しになりやすい一方、自宅であれば3,000万円特別控除により税金がかからないケースも多くあります。まずは残債と査定額を確認して数字を把握し、焦らず複数社への相談や資金計画の整理を進めていただければと思います(2026年時点の情報です。最新の取り扱いは国税庁や税理士にご確認ください)。

事情があっての売却も、あわせてご相談ください。

お金の整理から進め方まで、寄り添ってサポートします。