親族間・親子間の不動産売買では、著しく低い価格で取引を行うと差額がみなし贈与とされ贈与税が課される可能性があります。また住宅ローンが組みにくい、一部の税務特例が使えないなど、一般の売買とは異なる注意点があるため、適正価格の把握と正式な手続きを行うことが大切です。
- 親族間売買は「著しく低い価格」で行うと差額がみなし贈与とされ贈与税の対象になり得る。
- 適正価格の目安をつけるため、不動産会社や不動産鑑定士による査定書を取得しておくと安心。
- 住宅ローンは親族間売買に消極的な金融機関が多く、事前の相談が必要。
- 3,000万円特別控除など一部の税務特例は、親子・配偶者など特別関係者間の売買には適用されない。
- 口約束で済ませず、正式な売買契約書の作成と登記手続きを通常どおり行うことがトラブル防止につながる。
結論:適正価格の把握と正式な手続きが最重要
親族間・親子間の不動産売買で最も大切なのは、時価に見合った適正な価格で取引を行うことと、口約束で済ませず正式な契約書・登記手続きを踏むことです。この2点を押さえておくことで、税務上のリスクや後々のトラブルを避けやすくなります。
みなし贈与に注意
親族間で不動産を売買する際、時価に比べて著しく低い価格で取引を行うと、その差額が実質的な贈与とみなされ、買主に贈与税が課される可能性があります。「親子だから安くしてあげたい」という気持ちがあっても、税務上は時価との差が問題になる点に注意が必要です。
住宅ローンが組みにくい理由
親族間売買は、第三者間の売買に比べて価格の妥当性が確認しにくいことなどから、住宅ローンの利用に消極的な金融機関が少なくありません。利用できる場合でも、通常より審査が慎重に行われる傾向があるため、事前に金融機関へ相談しておくことをおすすめします。
適正価格を把握する方法(査定書の取得)
適正価格の目安をつけるためには、不動産会社による査定や、必要に応じて不動産鑑定士による鑑定評価を取得しておくと安心です。税金の全体像を踏まえたうえで、みなし贈与の疑いを持たれにくい価格設定を検討する材料になります。
税務特例が使えないケース
マイホームを売却した際に譲渡所得から控除できる3,000万円特別控除など、一部の税務上の特例は、配偶者や直系血族といった特別な関係にある人からの取得・売却には適用されないと定められています。利用を予定している特例がある場合は、適用要件を事前に確認しておく必要があります。
契約書・登記は通常どおり行う
親族間だからといって口約束で済ませてしまうと、後々の相続や税務調査の際にトラブルの原因になりかねません。第三者間の売買と同様に、正式な売買契約書を作成し、所有権移転登記も通常どおり行っておくことが大切です。
よくある質問
親族間売買で贈与税がかかることはありますか?
著しく低い価格で売買すると、時価との差額がみなし贈与とされ贈与税が課される可能性があります。
親族間売買で住宅ローンは組めますか?
組める場合もありますが、金融機関によっては親族間売買に消極的なため、事前の相談が必要です。
3,000万円特別控除は親子間売買でも使えますか?
配偶者や直系血族など特別な関係にある人からの購入では、原則として適用されません。
まとめ
親族間・親子間の不動産売買では、著しく低い価格による取引がみなし贈与とされるリスクや、住宅ローンが組みにくい点、一部の税務特例が使えない点に注意が必要です。適正価格を把握し、正式な契約書・登記手続きを踏むことで、後々のトラブルを避けやすくなります。判断に迷う場合は税理士など専門家への相談も検討しましょう。