Blog ・ 海外クライアント業務 ・ 2026-06-15

翻訳アプリより先に伝わるもの

海外からのお客様とお部屋探しを進めていますと、メッセージのやりとりが日々の中心になります。

海外からのお客様とお部屋探しを進めていますと、メッセージのやりとりが日々の中心になります。先日も、ご内見前のご質問にいくつかお答えしながら、ふと気づいたことがありましたので、書き留めておきます。

完璧な案内文より、返事の速さだった

以前の私は、とにかくご案内資料の充実に力を入れていました。設備のことから周辺の環境、最寄り駅からの道順まで、時間をかけて英訳した詳しい資料をご用意する。これでご質問は減るはずだと思っていました。

ところが、減らないのです。資料に書いてあることを、そのままお尋ねいただく。正直に申しますと、最初は少しだけ残念に思ってしまいました。

けれど、あるお客様とのやりとりで、考えが変わりました。夜遅くに「この設備の使い方が分からない」とご連絡をいただき、すぐに「いま確認します、少しだけお時間ください」とだけお返ししたことがあります。用件そのものは単純で、解決に大した手間はかからなかったのですが、後日いただいたお礼のお言葉が、想像以上に温かいものでした。

そこで気づいたのです。お客様が求めていらっしゃるのは、情報そのものではなく、安心なのだと。言葉の通じない国で何かに困ったとき、必要なのは正確な資料のページ番号ではなく、「誰かがすぐに応えてくれる」という事実そのものでした。それからは、完璧な文章を組み立てる前に、短くてもまず一報をお返しするようにしています。たった一行のお返事で、その後のやりとりが驚くほど和らぐのです。

言葉が違っても、求めているものは同じ

振り返ってみますと、お喜びいただけるのは立派な資料よりも、対応のことが多いように思います。国や言葉が違っても、お客様が求めていらっしゃるのは「安心して任せられること」で、これは日本のお客様と何も変わりません。言葉が通じない分、接客の本質がかえって裸になって見えてくるのだと感じています。

翻訳ツールには大いに助けられていますし、仕組みにできるところは仕組みにしています。それでも、最後のひと言を自分の言葉で添えるかどうかで、相手に残るものは確かに変わる。そこだけは、これからも手放さずにいたいと思っています。

明日もまず、早く・短く・温かくお返しするところから始めます。

— 株式会社スタンドアップ 代表取締役 鳥越 雄太郎

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