Blog ・ DX・省人化 ・ 2026-06-14

私が「めんどくさい」をメモしている理由

「めんどくさい」という言葉に、あまりいい印象はないかもしれません。

「めんどくさい」という言葉に、あまりいい印象はないかもしれません。でも私は、この言葉が口から出た瞬間こそ逃さないようにしています。今日はその話です。

ため息と一緒に出てくる言葉

うちの仕事には、毎日のように繰り返す事務作業があります。内見の依頼書を作って送る、決まった形式のFAXを用意する、同じ項目を別の書類に書き写す。一つひとつは数分で終わる作業です。けれどある日の夕方、何度目かの同じ書式を作りながら、ふと口から出ました。「これ、めんどくさいな」。

以前の私は、そう思った自分を少し恥じていました。仕事なんだから黙ってやればいい、と。でもあるとき気づいたんです。「めんどくさい」と感じる作業には、はっきりした共通点があります。手順が毎回同じで、判断がほとんど要らず、それなのに何度も発生する。つまり、機械に任せられる条件がきれいに揃っているのです。

実際、うちでは内見依頼書のPDF作成や定型FAXの作成を自動化しました。きっかけは立派な経営判断ではなく、あの日のため息です。今では短い入力で書類が整い、浮いた時間はお客様との会話や物件の下調べに回っています。劇的な変化とまでは言いませんが、夕方の机の上は確実に静かになりました。

「めんどくさい」と言える職場かどうか

省人化やDXのお手伝いで他社さんに伺うとき、最初にする質問も決まっています。「最近、めんどくさいと思った作業は何ですか」。立派な課題リストよりも、この答えのほうがずっと正確に改善点を指しています。現場の人は、どこに無駄があるかを体で知っているからです。

ただ、この言葉はなかなか口に出せません。怠けていると思われそうで、みんな飲み込んでしまう。すると改善のヒントは、表に出ないまま毎日静かに消えていきます。もったいない話です。私は「めんどくさい」は怠け心の表れではなく、現場が発している正直なデータだと思っています。だからこそ、それを言っても咎められない空気のほうが、高価なシステムを入れるより先に必要なのかもしれません。

うちでは「めんどくさいと思ったら、その場でメモする」を小さなルールにしています。明日もきっと、何かにため息をつくはずです。それを一つでも改善に変えられたらと思います。

— 株式会社スタンドアップ 代表取締役 鳥越 雄太郎

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