昨夜は、代々木上原で過ごしました。思いがけず心に残る夜になり、今もまだ、その余韻のなかにいます。
まずは、静かな蕎麦から
一軒目は、かねて気になっていた蕎麦のお店へ。海老の天ぷらはからりと軽く、細く打たれたお蕎麦は喉ごしがよく、最後の一本まで丁寧なお仕事が伝わってきます。壁にさりげなく飾られた焼き物の額にも、お店の方の美意識のようなものが感じられて、料理を待つ時間までが心地よく流れていきました。
落ち着いた一軒目を終えて、せっかくならともう一軒。小さなお店の扉を開けました。
見知らぬ方の、温かさ
その二軒目で、たまたま隣の席になった方と、すっかり打ち解けてしまいました。気さくで、それでいて品のある方で、お話ししているうちに時間があっという間に過ぎていきます。ゴルフがとてもお上手だそうで、いつか全国にお店を広げていくのが夢なのだと、少年のような目で語ってくださいました。
そして、なんとお会計まで、その方がご馳走してくださったのです。恐縮しながらも、行きずりの人間にここまで温かく接してくださることに、胸が熱くなりました。
一期一会の、小さな悔い
ところが、すっかりお話に夢中になってしまい、肝心の連絡先をうかがいそびれてしまいました。お店を出てから気づいて、なんとも惜しいことをしたと、いまも少しだけ悔やんでいます。
それでも、ご縁とは不思議なものだと思います。お名前も連絡先も分からなくても、あの夜にいただいた温かさは、確かに私のなかに残っています。人と人とが偶然に出会い、何かをそっと手渡し合う。その一度きりの巡り合わせを、これからも大切にしていきたいと、あらためて感じた夜でした。
またどこかで、あの方にお会いできますように。
— 株式会社スタンドアップ 代表取締役 鳥越 雄太郎