「いい物件、ありますか」とよく聞かれます。当たり前の質問のようでいて、この「いい」がいちばん難しい。今日はその話です。
「いい」は条件表じゃ測れない
広さ、駅距離、築年数、家賃。条件を並べれば物件は点数化できます。でも実際にお客様が「ここにします」と決める瞬間は、点数のいちばん高い部屋とは限りません。日当たりの気持ちよさ、玄関を開けたときの空気、なんとなくの安心感。言葉にしづらいものが最後の一押しになることが多いんです。
だから私は、条件のヒアリングと同じくらい、「どんな暮らしがしたいか」を聞くようにしています。条件は手段で、目的は暮らし。そこを取り違えると、点数は高いのに満たされない部屋を勧めてしまう。
同じ部屋が、人によって正解にも不正解にもなる
駅から遠い部屋を「不便」と感じる人もいれば、「静かでいい」と喜ぶ人もいます。古さを「味」と取るか「不安」と取るかも人それぞれ。つまり物件そのものに絶対の良し悪しはなく、その人の暮らしに合うかどうかでしか決まらない。
私の仕事は、万人にとっての「いい物件」を探すことではなく、目の前の一人にとっての「いい」を一緒に見つけること。そう考えると、ヒアリングは作業ではなく、いちばん大事な時間になります。
「いい物件ありますか」には、まず「どんな毎日にしたいですか」と返す。そこからが本当のお部屋探しだと思っています。
— 株式会社スタンドアップ 代表取締役 鳥越 雄太郎