賃貸の申し込みで本人確認書類や勤務先の裏付けとして、長く「健康保険証のコピー」が使われてきました。ところが2026年に入ってから、保険証の写真を送ると「保険証は審査書類として受け付けられません」と返されることが増えています。手元のカードには有効期限が印字されていて、まだ使えそうに見えるのに、なぜ断られるのか。何を代わりに出せばよいのか。この記事では、代わりになる3つの書類の違いと、スマートフォンでの出し方を整理します。
- 従来の健康保険証は2025年12月1日で使えなくなった。カードの印字が残っていても、審査書類としては不可と扱われる。
- 代わりは資格確認書/資格情報のお知らせ/マイナポータルの「資格情報」画面のいずれか1点。
- マイナポータルは画面のスクリーンショットと「資格情報をPDFで保存」の2通りの出し方がある。PDF版を指定する管理会社があるので、言われたらPDFで出し直す。
- マイナンバーカードの裏面(個人番号)は提出しない。求められているのは加入している保険の情報で、個人番号ではない。
なぜ保険証が審査に使えなくなったのか
2024年12月2日に従来の健康保険証の新規発行が終わり、それまでに発行されたものは経過措置として最長1年間、つまり2025年12月1日まで使えることになっていました。この経過措置が終わったため、2025年12月2日以降、従来の保険証は医療機関でも使えません。カードに「有効期限 令和9年」などと印字されていても、その日付より前に効力がなくなっています。
管理会社や保証会社が審査で保険証を求めてきたのは、本人確認の補助と、勤務先の裏付け(勤務先の健康保険組合に入っているか、国民健康保険か)を見るためです。効力のなくなった書類では、その裏付けになりません。そのため「保険証は不可。代わりの書類を」という案内に切り替わっています。
代わりになる3つの書類
保険証の代わりとして出せるものは次の3つです。どれか1点で足りることがほとんどですが、どれを指定するかは管理会社・保証会社によって違います。
| 書類 | 誰が持っているか | 形 | 審査での出し方 |
|---|---|---|---|
| 資格確認書 | マイナ保険証の利用登録をしていない人に、加入先(健保組合・協会けんぽ・市区町村など)から交付される | カードまたは紙。従来の保険証に近い見た目 | 表裏を撮って提出。保険証と同じ感覚で使える |
| 資格情報のお知らせ | マイナ保険証の利用登録をしている人に、加入先から郵送される | A4の紙。記号・番号・保険者名などが記載 | そのまま撮って提出。ただし手元に残していない人が多い |
| マイナポータルの「資格情報」画面 | マイナ保険証の利用登録をしている人なら誰でも、スマホで表示できる | 画面表示。「資格情報をPDFで保存」でPDFにもできる | 画面のスクリーンショット、またはPDFを保存して提出。紙が手元になくても、その場で出せる |
マイナ保険証に切り替えている方は、郵送された「資格情報のお知らせ」を捨ててしまっていることが多く、実務ではマイナポータルの資格情報画面を出していただくことがいちばん多くなっています。マイナンバーカード本体の写真ではない点に注意してください。カードの表面には、どの保険に入っているかの情報がありません。
マイナポータルの「資格情報」を出す手順
マイナポータルアプリ(デジタル庁)にログインして、ホーム画面の「健康保険証」をタップすると、資格情報が表示されます。ここに記号・番号・氏名・生年月日・性別・保険者番号・保険者名が載っています。出し方は2通りあります。
① 画面のスクリーンショットを撮る
資格情報の画面をそのまま撮ります。画面が縦に長いので、上下2枚に分けて、記号・番号・氏名・生年月日・性別・保険者番号がすべて写るようにしてください。手早く出せる方法ですが、後述のとおり、この形では受け付けない管理会社もあります。
② 「資格情報をPDFで保存」してから撮る
資格情報の画面にある「資格情報をPDFで保存」をタップすると、「日付_医療保険の資格情報(健康保険証情報).pdf」というファイルがダウンロードされます。iPhoneの場合、画面下の下矢印(ダウンロード)マークをタップし、一覧からそのPDFを開くと、保存日時入りの資格情報が1枚にまとまって表示されます。この画面を撮るか、PDFそのものを提出します。PDFを残しておきたい場合は共有ボタン(上矢印)から「"ファイル"に保存」を選びます。
画面を直接撮ったものは、縦長で項目が複数枚に分かれ、どの時点の情報かも分かりません。「資格情報をPDFで保存」で出力したPDFは、保存日時と資格情報が1枚に収まり、記載の体裁も一定です。そのため、審査書類としてはPDF版を指定する管理会社・保証会社があります。最初に①で出して差し戻された場合は、②で出し直せばそのまま審査が進みます。最初から②で出しておくと、差し戻しの手間がありません。
提出するときの注意点
マイナンバーカードの裏面は写さない
保険証の代わりとして求められているのは、どの健康保険に加入しているかの情報です。マイナンバーカードの裏面にある個人番号は、賃貸の審査には必要ありません。個人番号は法律で取得できる場面が限られており、管理会社や保証会社が求めることもありません。本人確認書類としてマイナンバーカードを出す場合も、表面だけにしてください。
記号・番号は個人情報。送る経路は指定されたものを使う
資格情報には保険者番号や記号・番号が含まれます。これらは医療機関で本人を特定するための情報ですから、提出先が指定した方法(申込システムのアップロード、仲介会社の書類受付リンクなど)で送り、チャットや SNS に直接貼らないようにしてください。弊社でも、お客様の書類は専用のアップロードリンクでお預かりしています。
申込前に一度出してみる
審査で追加書類を求められると、そこで数日止まります(Vol.102「管理会社から追加書類を求められたときの対応」)。マイナポータルは、マイナンバーカードを読み取るログインが必要で、暗証番号を忘れていたり、スマホが読み取りに対応していなかったりすると、その場では出せません。申し込みの前に一度ログインして、資格情報が表示されるかを確認しておくと、審査の途中で止まらずに済みます。
よくある質問
手元の健康保険証はまだ有効期限内に見えます。賃貸の審査に使えませんか?
カードに印字された有効期限が残っていても、従来の健康保険証は2025年12月1日で使えなくなっています。管理会社や保証会社が「保険証は不可」と案内するのはこのためです。代わりに、資格確認書、資格情報のお知らせ、マイナポータルの資格情報画面のいずれかを提出します。
マイナンバーカードの写真を送ればよいのではないですか?
マイナンバーカードは表面であれば本人確認書類として使えますが、保険証の代わりに求められているのは「どの健康保険に加入しているか」が分かる情報です。カードの表面にはその情報がありません。マイナポータルにログインして「健康保険証」の資格情報を表示し、その画面を提出してください。裏面(個人番号)は提出しません。
画面のスクリーンショットを送ったら「PDFで保存してから撮り直してください」と言われました。何が違うのですか?
マイナポータルの「資格情報をPDFで保存」で出力されるPDFには、保存日時と、加入している医療保険の資格情報が一枚にまとまって記載されます。画面を直接撮ったものは縦に長く、必要項目が複数枚に分かれたり、どの時点の情報か分からなかったりするため、PDF版の提出を指定する管理会社があります。PDFを保存し、開いた画面を撮り直すか、PDFそのものを指定の方法で送ってください。
まとめ
「保険証のコピー」は、賃貸の審査書類としては役目を終えました。代わりになるのは、資格確認書、資格情報のお知らせ、マイナポータルの資格情報画面の3つで、マイナ保険証に切り替えている方は、スマホからその場で出せるマイナポータルがいちばん確実です。出し方は画面のスクリーンショットとPDF保存の2通りありますが、PDF版を指定する管理会社があるので、最初からPDFで保存して、その画面を提出するのが差し戻しのない進め方です。マイナンバーカードの裏面は写さない。申し込みの前に一度ログインを試しておく。この2点を押さえておけば、審査が書類で止まることはなくなります。
本記事は2026年10月7日時点の公開情報を基にした一般的な解説です。健康保険証の経過措置の取り扱いは厚生労働省の案内、マイナポータルの画面と操作はデジタル庁の案内によります。審査で求められる書類の種類と提出方法は、物件・管理会社・保証会社によって異なります。個別の申し込みについては必ず提出先にご確認ください。