Column ・ 購入 ・ Vol.20

告知事項・心理的瑕疵のある物件の考え方

告知事項・心理的瑕疵のある物件は、宅地建物取引業法上の告知義務とガイドラインをもとに扱いが決まります。基本的な考え方を整理します。

物件を探していると「告知事項あり」と記載された物件を目にすることがあります。過去に人が亡くなった経緯があるなど、いわゆる心理的瑕疵に関する情報は、宅地建物取引業法上の告知義務と国土交通省が公表しているガイドラインをもとに扱いが整理されています。ここでは基本的な考え方を確認します。

この記事の要点
  • 宅地建物取引業者には、契約の判断に重要な影響を及ぼす事項について告知義務がある。
  • 国土交通省が公表する「人の死の告知に関するガイドライン」が実務上の目安になっている。
  • 老衰や病死など自然死、日常生活の中での不慮の事故死は、原則として告知の対象外とされる。
  • 事件性のある死や、特殊清掃を要した死などは、経過期間にかかわらず告知の対象になり得る。
  • 心理的瑕疵は価格や取引条件に反映されることが多く、個別の事情を確認する姿勢が大切。

結論:告知義務の有無はガイドラインが目安

心理的瑕疵に関する告知義務の有無は、一律のルールで機械的に決まるものではなく、国土交通省の「人の死の告知に関するガイドライン」を目安に個別の事情を踏まえて判断されます。すべての死亡事案が告知対象になるわけではなく、逆にすべてが告知不要になるわけでもありません。まずはガイドラインの基本的な考え方を理解しておくことが大切です。

宅地建物取引業法上の告知義務とは

宅地建物取引業者は、宅地建物取引業法に基づき、契約を締結するかどうかの判断に重要な影響を及ぼす事項について、買主に告知する義務を負っています。過去の死亡事案の有無もこの告知義務の対象になり得る事項の一つです。告知義務を怠った場合、後になって契約上のトラブルに発展する可能性があるため、業者側には慎重な対応が求められます。

「人の死の告知に関するガイドライン」の考え方

国土交通省は2021年に「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を公表し、実務上の判断基準を整理しました。このガイドラインは、告知の要否を一律に決めるものではなく、事案の性質や経過期間などを踏まえて総合的に判断するための目安として位置づけられています。

告知が不要とされやすいケース

老衰や病死といった自然死、日常生活の中での転倒事故など不慮の事故死は、社会生活を送るうえで通常起こり得るものとして、原則として告知の対象外とされています。賃貸借取引においては、事案発生から概ね3年が経過した後は原則として告知不要とする基準も示されていますが、売買取引についてはこうした経過期間の定めは設けられていません。

告知が必要とされやすいケース

他殺や自殺、事故死等であって特殊清掃や大規模なリフォームが必要になった事案は、社会に与える影響が大きいと考えられ、経過期間にかかわらず告知の対象になり得るとされています。事案の内容や周知の程度によって扱いが異なるため、気になる場合は仲介会社を通じて丁寧に確認する姿勢が大切です。

心理的瑕疵物件を検討する際の視点

告知事項のある物件は、周辺相場より価格が抑えられていることが多くありますが、価格だけで判断せず、告知内容の詳細や物件の状態を確認したうえで検討することが大切です。物件選びの基本的な判断軸は新築と中古、どちらを選ぶか|判断軸の整理も参考になります。重要事項説明の場でも、気になる点は遠慮なく質問しておきましょう。家族の受け止め方は人によって差があるため、同居する家族の意向も踏まえて検討することが望ましいです。

よくある質問

病死があった場合は必ず告知されますか?

老衰や病死といった自然死は、社会生活上通常発生し得るものとして、原則として告知の対象外とされています。ただし個別の事情によって扱いが異なる場合もあります。

国土交通省のガイドラインに法的な拘束力はありますか?

ガイドラインそのものに法的拘束力はありませんが、宅地建物取引業法上の告知義務の運用にあたっての実務上の目安として広く参照されています。

告知事項がある物件は必ず避けるべきですか?

一律に避けるべきとは言えません。告知内容の詳細や物件の状態、価格条件などを踏まえて、個別に検討する姿勢が大切です。気になる点は仲介会社に確認しましょう。

まとめ

告知事項・心理的瑕疵のある物件は、宅地建物取引業法上の告知義務と国土交通省のガイドラインをもとに扱いが整理されています。一律の判断ではなく、事案の内容を踏まえて個別に検討する姿勢が大切です。

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